TZR50R フロントフォーク オーバーホールその2 組立編とネジロックあれこれ
TZR50Rフロントフォークオーバーホールの続き。その1はこちら↓。
hetaresouzanbike.hatenablog.com
組み立てていくぞい。
アウターチューブとインナーチューブの組み付け。シリンダー通してアンダーボルトにネジロックを付けて規定トルクで締めます。ここまではサクサク進められます。インナーは新品の輝きウェヘヘ。
ネジロックは中強度にします。高強度なんて付けたら後でまたバラしたい時に大変なことになります。というか取れるのかな…。
さてここでよく出る(?)ネジロックを付けるべきか否か論争。
結論から言うとネジロックを付けていてもボルトは緩みます。けど付けていた方がいいです。
まず付けていてもなぜ緩むか。ボルトって軸力によって固定する力を出していますが、軸力が弱くなったらたとえボルトが回ってなくても緩みます。締め付けトルクより小さすぎても大きすぎても良くないのもこれが理由です。この辺の詳しい話はそのうち書くかも。気になる人は「ボルト 軸力」とかでググって下さい。
じゃあなんでネジロックつけるのかというと、ボルト自体は回らなくはなるので、たとえ緩んでも抜け落ちることは防止できるからです。あと回転緩みは防げます。フォークのアンダーボルトとかブレーキローターのボルトは抜け落ちなければ辛うじて機能させられます。特にローターなんて吹っ飛んで行ったらもう終わりですが、ボルト緩んでガタガタ言いつつも車体に残っていたらなんとかブレーキを掛けられるでしょ。脱落したら困るものにはネジロック付けましょう!
さてそしてオイルシールの取り付け。オイルシールの内側にフォークオイルを塗り、インナーチューブにラップ被せて通します。ラップを被せるのはインナー上部の淵とオイルシール内側が擦れて傷つくことを防ぐためです。オイルは外側にも塗った方が良かったかも。3MAのを組んだ時は外側に塗っておいたらもっとすんなりできましたし…。
打ち込み用の特殊工具は高いので代用で塩ビパイプを用意します。中型とかだとそのまま使えますが50Rだとフォーク径が小さいので、切り込み入れてタイラップで縛って細くします。
だがしかし塩ビパイプでガシガシ叩いても数時間やってたった1mmしか入らなかった。ファーーーwww
固くて抜くのに苦労したけれど、固いので入れるのにも苦労します。
そこでやり方を変えるべく四輪車載のパンダジャッキを用意。強度のある低い天井の間に挟みます。この場合アパートの階段。
ジャッキを上げていくとにゅるって入ります。少し斜めに入ってしまった気がするので、タイヤレバーとか先が丸いもので軽く叩いて調整。分解編で言ったオイルシールを抜く方法もこれでいけるかと思います。その場合は塩ビパイプじゃなくて直接フォークの上部を挟みましょう。
オイルシールの抜け止めのリングには防錆のためにグリスを塗ります。バラしたとき前のCリングさんは錆々だったので。
ダストシールもラップ被せて通します。こっちは手で簡単にアウターにはめられます。
オイルは指定がG10だったけどあえて固めのG15を入れてみました(貰いものが余っていたからってのは秘密)。メスシリンダーで規定量を測って入れてエア抜きのために2日ほど放置。面倒だったのでレベルゲージは使いませんでした。規定量ちゃんと測っていればそこまで問題は起こりません。
ちなみに固めにしたらダンパー抜け気味のリアサスとの相乗効果で段差舗装の乗り心地が最悪になりました。やめておけば良かった…。リアサス整備したら変わるかもしれないですけど。
そして車体に組み付けて終了。
外した時のようにブラケットにぐりぐり回しながら取り付けます。
アンダーブラケットに通した後、ハンドルをトップブリッジから取り外してインナーに通します。それからトップブリッジにねじ込むってやると楽です。
しばらく走ってオイルにじみとかがなければ完成!