3MAエンジンオーバーホール分解編その3
腰上の方が付いたので腰下をバラします。
その2はこちら。
クランクケースカバーとジェネレータカバーという名の横の蓋を2つ開けていきます。
まずは簡単に取れるジェネレータカバーから。
3MAはジェネレータ側にオイルが密閉されていたりする訳ではないので、防水用のゴムパッキンが付いた、ただのプラの蓋です。
続いてクランクケースカバー。外したボルトがどこのか分からなくならないように、目印を作ります。段ボールにそれっぽい絵を書いて、該当箇所に挿しておきます。絵心に関しては不問でw
自分が後で分かればヨシ!
ガスケットが引っ付いているので、プラハンで軽く叩いて外します。
ご開帳。抜け切っていないオイルが出てくるので注意。
ワシの3MAは89なのでウォーターラインがどうなのか気になっていましたが、下記ブログを見る限りこれは後期タイプのかな。やったぜ。
ウォーターラインがなんで2種類あるかは下記記事が詳しいです。
沈殿物もそんなになく、思ったより中も綺麗です。
クラッチから取っていきます。
まず見えている5本のネジを緩めバネとカバーを取ります。ネジを緩めた際にバネが戻るのでネジを吹っ飛ばさないように注意。
カバー取るとロックワッシャとナットが見えてくるので、ナットを外すとクラッチハウジングが抜けるようになります。
プレートは順番は分からなくならないように、外した順番のまま紐で縛っておきます。
取りました。
次にシフトシャフトとスタータギア。
シフトシャフトは特に何かで固定されてる訳ではないので、手前に引っ張れば抜けます。
抜けづらい時は反対のシャフトが出てる部分を軽くプラハンで叩けばよし。
スタータギアの赤丸の方はサークリップを取れば抜けます。
黄色丸の方はバネのフックを取れば、ASSYで取れます。
続いてミッションASSYを取ります。
TZRは3MAからカセットミッションです。クランクケースを割らなくてもミッションが取れまする。便利。
スタータギアとシフトシャフトを取った後の写真を撮り忘れましたが、この2つを外すとクロメートメッキっぽい色をしたボルトが2本と、ナットが4つ見えます。
これを外すとミッションが取れるようになります。これまた抜けづらい時はドライブスプロケが付いていた軸をプラハンで軽く叩きます。
書き忘れてましたが、エンジン降ろす前にドライブスプロケを取ってあります。取っておかないとここでミッション抜けませんw
ミッション抜いた後。
取ったものたち。まとめておきます。
沈殿物は多少ありますが、これまた思っていたよりは綺麗かな。別に腰下までバラさなくても良かったような気がしてきた。
右側の部品は概ね外したので、次は左側のロータを外します。
汎用のフライホイールプーラで十字のハンドルタイプを買いましたが、手じゃ全然回らん…。鉄パイプで延長してもびくともせず、足で押さえつけながら2人がかりでやっと音がして外れました。
が、最近2ストメインのショップさんがこんな呟きをしているのを見つけてしまった。
ローターはずしは必ず純正工具を使ってください。安いです。うちに在庫あります。
— トシテック TOSH-TEC assy (@assyyan) 2021年1月17日
社外品、汎用品ではとれないことがあり、このように無理やり外して壊してしまうことがあります。
お気を付けて‼️#フライホイールローターはずし#フライホイールマグネトプラー
#90890-01189#1925円 pic.twitter.com/DIJEh4a2ht
外した後にチェックしてない上に、これを見たのはもちろん組んだ後。今回は壊れていなかったと信じたい。
次からは純正品を使おう。
その4へ続く。
3MAエンジンオーバーホール分解編その2
半年以上空きましたが3MAエンジン分解の続き。
(バラしたのはかなり前で、なんなら現在既に組み上がりの実動です)
その1はこちら。
シリンダを外したので、次はシリンダからYPVS取り外し。
YPVSの連結部がダメになっていることがよくあるそうですが、無事でした。
YPVSの固定ボルトは蓋を外すと出てきます。
反対側はボルトのアクセス方法が初め分かりませんでしたが、パーツリストとにらめっこをするとどうやらハメてあるだけの様?
手で引き抜いてみようとしましたがさすがに手じゃ無理でした。ペンチで引っ張ったところ見事に外れてくれました。傷防止を何も考えずにペンチで引いたので、軽い傷が…。普通に考えてゴム板かせめて布を挟んでペンチで掴むのに、なぜか忘れる。後悔。
YPVSの固定ボルトは供回りするので、サービスマニュアルだと木の棒をシリンダーに突っ込めとある。木の棒を突っ込んだのですが、木がえぐれました(写真は撮り忘れ)
片側はインパクトで外せたのですが、もう片側はインパクトでも供回りします…。
仕方がないので最終手段。ペンチで掴んで回す。
見事に緩んではくれましたが、例の如く傷防止対策を忘れ、若干傷が…。自分で振り返っても何故やとなる。
シリンダの付属物は全て外したので再メッキに出すため、ある程度オイル汚れやカーボンを落とします。業者さんも汚れまみれのは触りたくないでしょうし。
カーボンこんなですので。
とりあえずキャブクリーナ原液タイプに漬けてみた結果がこちら。
若干落ちたかなというところ。ですが奥の方はまだまだ黒いです。
それでも溶剤はこんな真っ黒に。
これ以上キャブクリーナでは落ちなさそうなので、
いろいろ調べてみるとワコーズのリムーバーがいいらしいということで購入。これ。
溶剤がパッキンを侵すので半年で使い切ってくださいとか恐ろしいことが書いてあります。
実力は如何程に。
吹く。
すごいぞ!吹いたそばから落ちる落ちる。
すごいこと書いてあるだけによく落ちる。
かなりの劇薬なので耐油の手袋、保護メガネ必須です。 隙間の皮膚についたらそれなりにヒリヒリしました。
別の機会で使用した時には、溶剤が飛び散ってしまった際に近くに置いてあったニトリル手袋に付着し、速攻で手袋が溶けました。ヒェッ。
時間を置いた後てパーツクリーナであらかた溶剤を落とし、仕上げに水洗いします。
全然黒くない。最初からこれを使えば良かった。キャブクリーナの使い損。
綺麗にしたのでメッキ屋さんへ発送。
シリンダヘッドにもつかってみます。
感激。
その3へ続く。
3MAエンジンオーバーホール分解編その1
今日はバイクの日ということで久々更新です。
いやバイクの日だというのはおいておいて、整備はいろいろしているのに全く更新していないこの備忘録。
備忘録なのに更新しなければ備忘録にならない。
最近も前どうやったっけな…。みたいな事態が発生。ちゃんと更新しようと思った。
さてエンジンオーバーホールに至ったきっかけです。そもそも私の3MAたんは不動の状態で入手後キャブレタのみ点検し、エンジンが始動したのでそのまま乗っていました(ブレーキやフォークはOHしましたけど)。しかしカブりやすいと言われいている3MAでも、これは異常ではないかと思うくらいカブる。5、6千回転キープで走った後に信号で止まるとどんどん回転数が落ちて、頻繁にエンストするくらいです。ただ他の3MAに乗ったことはないので正確な比較はできていないのですけれど。極め付けはエンジンから回転数に応じて大きくなる「タンタンタン」という打音のようなものが。しかも乗るごとに音が大きくなっている気がする。
まあつまりエンジンがダメということですな。たぶん。
おそらくピストンの首振りだと思ったので腰上OHだけでもよかったのですが、個人売の不動車だったので、これを機に腰下までやってしまおうということで始めました。
分解したのは2018年の5月ごろ。もう2年前…。記憶を頼りに頑張って書くぞい…。
ちなみに今3MAは既に全て組み終え実働状態です。
さて、では作業過程。エンジンを降ろすには、ラジエタ、エアクリーナ、キャブレタ、チャンバー、YPVSワイヤ、エンジンオイルホース、ハーネス、プラグコードを外しましょう。
YPVSのプーリは供回りするため切り欠きと奥の穴を合わせて棒を差し込んで回り留めをするか、インパクトで緩めます。今回はインパクトでサクッと回します。
チャンバーを外すにはリアシートのステップとナンバーステーも取り外さないといけません。
下は既に外した図。
カバーを止めているタイラップを切り、カバーをめくってチャンバーを取る。
外すものが多いゾ…。
全部外したら、本命のエンジン降ろし。
ちなみに私はエンジンにつながるハーネスのカプラーをすべて外したつもりが一部残っており、降ろしている最中に気づき少し大変な目にあいました。今後の教訓「降ろす前にしっかり確認」。
マウントのボルトを緩めてから、エンジンの下にジャッキをかませ、持ち上げたり下げたりしつつ、ちょうどいい位置を探りながらボルトを引き抜きます。
ごろん。
個人差はあると思いますが1人で持てる重さです。先にシリンダーだけ外そうとした名残でシリンダヘッドだけ先に外れてます(工具を入れづらかったのでシリンダを先に外すのは諦めた)
ちなみに外したときのシリンダヘッド。
おおう…。真っ黒…。
シリンダの再メッキを業者に見積もりしたところ納期1ヶ月だったため、さっさと送りつけるべくシリンダを先に外します。
がその前に、スタッドボルトが付いたままだと取り外しの割増料金を取られるので、クランクケースに固定されているうちにヘッド側と、チャンバー側のスタッドボルトを外します。ラスペネを吹いてからダブルナットを用いて回します。
初めはラスペネを吹かずに挑戦したのですが、回らず。吹いてしばらく放置した後は割とすんなり回せます。少々お高いですが、回せずに格闘している時間を考えたら安いのかなと個人的には思っています。556よりラスペネの方が個人的には良かった(試してダメだった556がチラッと写ってます)。
ダブルナットでのスタッドボルトの外し方については他に詳しくまとめられている方がいるので、より詳しくはそちらをどうぞ。
それと次の記事以降に書く予定ですが、スタッドボルトリムーバ使うのが一番確実に外せます。
ちなみに1本目から逆に回してしまい、ねじ切りました。他は全てきれいに取れたのですが、結局1本分だけボルト除去代とネジ山新設代をしっかりはらって修理してもらうはめになりました。とほほ…。
気を取り直してシリンダを取り外します。
今度は右手前のナットが舐めました(泣)。オーバーホールは組み立てより分解の方が大変です。交換前提でナット破壊します…。写真のナットクラッシャでうまく割れなかったため、結局グラインダで飛ばしました。その時にシリンダーが少し削れましたが、まあ許容範囲。
取り外しました。
ピストンは吹き抜けがすごい気がする。ピストン上部は刻印が見えないほどカーボンが溜まり、段もある。ひょえー。
シリンダはA刻印でした。
中は若干の縦傷。まあどのみち再メッキする予定でしたので関係ないですが。
その2へ続く。
車とバイクが増えました。
お久しぶりです。SOUZANです。
半年に1回しか更新していないのでブログにむいていないなと思うこの頃です。
半年以上間が空くと状況もいろいろ変わるもので、タイトルの通り車とバイクが増えました。1台ずつ。車が増えたことに伴い、車関係のことも書こうかとブログタイトルをMotorbikeからMotorsにしてみました。
増えた車はインプレッサスポーツワゴンです。MTです。
車もバイクも昔から好きですが、実は車を今まで所有してなかったSOUZANです。ちなみに3月ごろの話なのでまあまあ期間経ってます(汗)。非STIですし、格安で入手したのでMTの練習車として数年乗り倒す所存。
続いてバイク。3MAレストアをなかなか上手く進められず、バイク欲をTZR50Rで埋めあわせていたものの、物足りず悶々とする日々。レンタルバイクなんかもしたりしましたw また追い討ちをかけるよう(?)に周りの知人数人がバイクを増車したり、初めて乗り始めたり。流石に耐えきれなくなり8月ごろ、せや!さらに増車したらええやん!と相成りました。
TRX850を。
みんなに「え?なんでこれ買ったの?」という奇異な目で見られました。アイラブマイナー車。だって乗ったら楽しそうだったんだもん。
願望はあったものの、TZRを乗り換える気もなかったし、特に必要もないので大型免許がないままだったのですが、どうせなら大型にしようと「せや!」と思った次の日にそのまま教習所とバイク屋に行きました。
振動少ない4発がいいかなあと2ストぞっこんになる前に欲しかったR1とかR6を物色し始め。
以下回想。
YZF750もいいな。いっそドカ、MVか。いやイタ車はまだ早い気がするし、そもそもレプリカすでにあるしSSは今はいいかな。遠出に使いたいしツアラー系にしてみる?そうは言ってもやっぱりスポーツ性もある程度は欲しい。YZF1000とかFZR1000か。他にヤマハで面白そうな大型ないかな。(中略)270度クランク、トラスフレームなんつう変態バイクあるやんけ。
結果これ。
まあ今MT-07っていう270度クランクエンジンの新車で買えるバイクあるんですけどね。人となるべく被りたくなかったので…。あとセパハンとカウルは欲しかった。
当の3MAはちまちまやりすぎてまだ終わっていない悲しい状況。バラしてからもう1年以上。バラシ始めの記憶が飛ばないうちに備忘録としての役割を果たさねば…。そろそろゴールが見えてきたのが唯一救い。さて明日も続きやりますか。
久々の更新と近況
お久しぶりです。SOUZANです。
本業の忙しさと体調の不良により、2018年は私のバイク歴史上もっともツーリングに行かない年となってしまいました。TZR50を普段の足として使用しているので回数自体は乗ってはいたのですが、まあネタにできるわけもなし。ブログを始める時期を完全に間違えましたね感満載です。もっと早く始めておけば書くことは沢山ありました(遠い目)。宮ヶ瀬に通いつめたり、原付で西伊豆に行ったり、七曲り登ったり、3MAで山中湖行って風邪をひいたりした年もあったんですよ、ええ。
とまあ回想はこの辺にしておきます。
言い訳感満載でしたが、続いて近況報告です。
本業も体調も落ち着いてきたので先日から3MAのエンジンOHを再開しました。全て終えてから記事にしようと考えていましたが、時間が経つと忘れてしまうので、ちまちま途中経過を更新していこうと思います。結局エンジンを降ろしてから1年近く経ってしまった…。ちなみに3月末に引越しをしなければならなくなったので、今月中に死ぬ気で仕上げます。
それと近々、四輪車が増える予定ができそうなので、今後は四輪車についても取り上げるつもりです。それに伴いブログタイトルをBeh! for MotorbikeからBeh! for Motorsに変更しました。
ついでにブログ自体もちょこちょこ改装中です。その一環で独自ドメインを取得してみました。まだ改装が完全ではないため、しばらくは記事の表示がされなかったり、おかしくなる場合があります。閲覧時にご不便をおかけしますが、ご了承願いします。閲覧の不具合に関して何かございましたら、ブログのコメント欄か私のTwitterへ(SOUZAN (@hetaresouzan) | Twitter)リプライもしくはDMで連絡をいただければ対応いたします。よろしくお願いします。